糖尿病網膜症治療
糖尿病網膜症治療
糖尿病網膜症は、初期にはほとんど自覚症状が現れない場合が一般的です。
定期的に眼底検査を受け、早期発見を心がけることが大切です。
一つでも該当する症状があれば、かなり進行している可能性があります。
当院までご相談ください。
糖尿病網膜症担ってしまったからといって、すぐに失明するわけではなく、進行の度合いによって3つに分類されます。
進行度 | 自覚症状 | 治療法 |
---|---|---|
単純網膜症 | まったくない | 血糖コントロール |
前増殖網膜症 | ほとんどない | 血糖コントロール レーザー光凝固術 |
増殖網膜症 | 軽度から高度の視力低下 ときに失明 |
血糖コントロール レーザー光凝固術 硝子体手術 |
当院では糖尿病網膜症の手術として低侵襲のMIVS(ミブス)極小切開硝子体手術を行っております
硝子体手術とは、眼球の中でも後眼部、主に硝子体や網膜の疾患に対して行う手術です。
網膜症が進行していたり、光凝固術(レーザー治療)で効果が上がらなかった場合や、急激に視力が低下した場合は、硝子体手術が行われます。糖尿病黄斑症でも行われることがあります。
手術は通常、眼球に小さな孔を三つ開けて、眼球内を照らすライト、手術器具、眼球の圧力(形)を保つための潅流液や空気を注入する器具を入れます。出血によって濁ってしまった硝子体や、出血や牽引性網膜剥離を起こしている増殖膜を丁寧に除去します。網膜剥離が起こっている場合は、眼内に空気を入れて、網膜を元の場所に戻します。
外来処置では十分に光凝固術ができない場合も眼内からレーザーを行うことで網膜の最周辺部まで十分に治療を行います。
再手術の原因はほとんどが増殖膜の除去や光凝固術が不十分であることです。当院の手術では熟練した術者が徹底して処置することで、できる限り再手術が必要のない手術を行っていることが特徴です。
当院では眼全体への負担低減を目指した低侵襲MIVS(ミブス)極小切開硝子体手術を用いて、患者様に負担をかけにくい日帰り手術を行っています。
医療機器や技術の進歩により、25G(創口約0.5㎜)や27G(創口約0.4㎜)の細い器具での小切開硝子体手術(Micro Incision Vitreous Surgery)が行えるようになり、術後の異物感や不快感を大幅に減らすことが可能となりました。当院でも25Gや27Gシステムを使用しているほか、当院が使用している硝子体手術装置(コンステレーション®)は、高回転数の硝子体カッターを用いることで、硝子体切除時に起こり得る合併症を最大限に抑えています。
従来はピンセットやはさみのような器具を出し入れして増殖膜を除去していましたが、硝子体切除のカッターにその役割を代用させて早くて安全な手術を行っていることも特徴です。
加齢に伴い定期的な目の検診は必要ですが、とりわけ糖尿病と診断された時点から、眼科での定期検診を受けることは不可欠です。
糖尿病と同じように、糖尿病網膜症も初期にはほとんど自覚症状がありません。「見えるから」「視力が落ちていないから」と油断していると、取り返しのつかないことになります。
初期の単純糖尿病網膜症の段階を過ぎると、治療しても網膜の状態は元に戻らないことがほとんどです。
現状を維持すること、進行を止めること、再燃を防ぐことが治療の目標になります。治療後も引き続き、血糖コントロールをきちんと行い、定期的に検診を受けます。血糖コントロールがうまくいかないと、再燃する危険性が高いからです。
また、糖尿病網膜症を進行させる要因として、糖尿病だけでなく、脂質異常症や高血圧の関与も指摘されています。これらの生活習慣病全般について、予防に努めることが必要です。
ご興味の方はこちらにも詳しく出ています。当院網膜硝子体外来担当医が監修しています。
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