一般眼科
一般眼科
ドライアイとは、涙の分泌量が少なくなったり、量は十分でも涙の質が低下したりすることにより、眼球の表面を潤す力が低下した状態です。
そのため眼の表面に傷がつくことや、目に入ってきた細菌や花粉などの異物を涙ですぐに洗い流すことができなくなり、感染症やアレルギーなどの炎症が起こりやすくなります。
高齢化、エアコンの使用、スマートフォンの普及、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイの患者数も増えており、2200万人とも言われています。
主な治療には点眼薬による治療と涙点(涙の排出口)を閉鎖してしまう治療があります。
点眼薬には目に水分を補給するもの、目の潤滑をよくするもの、目の傷を治すものなど様々な種類のものがあります。 ドライアイの多くの場合は、適切な点眼薬の処方を受けることで、症状のコントロールが可能です。
点眼液で効果が得られない場合は、涙点閉鎖による治療を行います。 涙の排出口である涙点を閉じ、涙の流出を抑えて、涙を目の表面に十分にためる方法です。涙点にシリコンや合成樹脂製の涙点プラグを挿入します。
また、涙点閉鎖の治療には、涙点を縫い合わせる涙点閉鎖術もあります。
アレルギー性結膜炎とは、目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着して、結膜に炎症を起こす病気です。結膜とは、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜のことです。
花粉などが原因の、特定の季節にのみ症状があらわれるものを季節性アレルギー性結膜炎といい、一年中症状がみられるものは、通年性アレルギー性結膜炎といいます。重症のものでは、子どもに多くみられる春季カタル、ソフトコンタクトレンズを使っている人にみられる巨大乳頭結膜炎などがあります。
症状には次のようなものがあります。
私たちの身体には、体内に入ってくる異物を排除しようとする働きがあり、この働きのことを免疫といいます。本来、花粉などは異物と感じない仕組みになっているのですが、アレルギー体質だと異物と認識して、免疫反応が働いてしまいます。この過剰な反応のことを、アレルギー反応といいます。
主なアレルゲンには次のようなものがあります。
アレルギー性結膜炎の治療の基本は、薬物療法となります。薬物療法の目的は、かゆみの症状を軽くすることによって日常生活に支障がでないようにしております。
治療には、抗アレルギー点眼薬(抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエータ遊離抑制薬)が、主に使われます。重症の場合には、ステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬などを使用する場合があります。
はやり目は、白目の表面とまぶたの裏側をおおっている結膜にウイルスが感染して起こるウイルス性結膜炎に付けられた俗名です。
はやり目を起こすウイルスは非常に伝染力が強く、感染した人の手、涙や目やにのついたタオル、ハンカチなどから次々とうつります。
特に夏場、家庭や学校、職場などではしばしば流行します。学校保健法の第三種学校伝染病に指定されているので、子どもの場合は、医師が周囲への感染力がなくなったと判断するまで学校を休まなければなりません。大人の場合は、そのような法的根拠はありませんが、人と接触する機会の多い仕事に従事している方は、出勤停止を医師から指示される場合があります。
白目の充血、まぶたの腫れ、目やに、涙が多く出る、眼の異物感などの結膜炎の症状があらわれます。
結膜に存在するウイルスに効果のある特効薬は存在しません。流行性角結膜炎の場合、治るまでに2−3週間程度かかります。補助的に眼の炎症を抑える点眼薬や、他の細菌の感染を防ぐために抗生剤の点眼薬を使用することがあります。
白目の表面を覆っている半透明の膜を結膜と言います。この結膜の下にある細胞が異常に繁殖して、目頭のほうから黒目(角膜)にかけて三角形状に入り込む病気が翼状片です。
結膜には血管が多く存在しているため、血管のない角膜に入り込むことで黒目が充血したように赤く見えます。こぶができたように腫れますが、悪性ではありません。翼状片は両目に発症することもあります。
翼状片が起こる原因は明確にわかっていませんが、紫外線が関係しているのではないかと考えられており、高齢者に多くみられる病気です。
充血や異物感があります。進行すると、乱視の悪化や視力低下を起こすことがあります。
進行し美容的に気になる場合や、角膜中央に及ぶ場合は手術で切除します。
結膜下出血とは、結膜下の小さい血管が破れて出血したもので、白目部分がべったりと赤く染まります。
多少、目がごろごろしますが、痛みなどはありません。
原因はさまざまで、くしゃみ・せき、過飲酒、月経、水中メガネの絞め過ぎなどでも出血します。結膜下の出血では、眼球内部に血液が入ることはなく視力の低下の心配もありません。
出血は、1~2週間ほどで自然に吸収されることが多いのですが、強いものでは2~3カ月ぐらいかかります。いずれにしても自然に吸収されますので、ほとんどの場合心配はいりません。
出血自体は、軽度であれば10日前後で自然吸収され白目に戻るため、治療の必要はありません。また、出血が止まっても赤目が広範で長引いているひどい場合は、吸収促進のために血栓溶解剤などを結膜下注射することもあります。
ものもらいとは、まぶたにある脂や汗を出す腺に細菌が感染して起こる急性の化膿性炎症のことです。
数日で皮下にうみがあらわれ、放置すると皮膚が破れてうみが出ます。うみが出ると治ることが多いのですが、重症化することもあります。
まぶたの一部が赤く腫れ、まばたきをしたり指で押したりすると痛みがあります。患部が広がると、まぶた全体が腫れ、目やにが出ます。また、目がかゆい、目が赤い、目がゴロゴロするなどの症状もみられます。
抗菌点眼薬による治療が中心です。
ほとんどの場合は数日で充血や痛みは治まり、1週間程度で腫れも治まります。
眼瞼下垂とは、上まぶたが垂れ下がった状態を言います。 眼瞼下垂は先天性と後天性に分けることができます。 先天性はまぶたを引っ張り上げる筋肉(眼瞼挙筋)が生まれつき発育異常のものです。後天性のものは、まぶたを引っ張り上げる腱膜に異常がある腱膜性、重症筋無力症など筋肉自体に異常がある筋原性、動眼神経麻痺など筋肉を支配する神経に異常がある神経原性に分けることができます。
主な症状は、まぶたが重い、見にくい、特に上方の視野が狭いなどがあります。
眼瞼下垂には内服薬や注射は効きにくいため、原則は手術です。
先天性か後天性かによって手術方法も変わってきます。
ほとんどの場合は数日で充血や痛みは治まり、1週間程度で腫れも治まります。
眼瞼痙攣(けいれん)とは、目の周りの筋肉が痙攣して、目があけにくくなり、まばたきがうまくできなくなる病気です。脳内の運動を抑制するシステムが機能障害を起こすことによって生じると考えられています。
眼瞼けいれんの初期症状としては、まぶたの不快感、まぶしく感じる、まばたきが多くなる、などがあります。症状が進行すると、まぶたが頻繁にけいれんし、目をうまく開けていられないため、人や物にぶつかるなど、生活に支障が出るようになります。
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)は、まつげだけではなく、まぶた全体が内側を(眼球の方を)向いてしまう状態で、まつげも内側を向きます。主に加齢により、下まぶたを支えている組織やまぶたを閉じる筋肉がゆるんだり、まぶたの皮膚がたるんだりすることが原因とされています。生まれつきの眼瞼内反症(先天性眼瞼内反症)もあります。
局所麻酔で日帰り手術が可能です。糸を通すだけの手術(埋没法)と、皮膚を長く切る手術(切開法)があります。
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